AIの答えはもっともらしい。でも、なんとなく引っかかる。
画面には、きれいにまとまった答えが出ている。理由も三つ並んでいて、結論まで迷いがない。読んでいると、たしかにそうだと思う。
それなのに、送信する手が止まる。どこが違うのか聞かれても、まだうまく言えない。
たとえば、社内の問い合わせ窓口を一つにまとめようとしている場面。AIに状況を伝えると、担当を集約すれば対応の重複が減り、効率が上がる、という案が返ってくる。筋は通っている。自分でも似たことを考えていた。
でも、あの担当者の顔が浮かぶ。あの人のところに話が集まるのは、窓口に指定されているからだけだろうか。言いにくい相談でも、少しだけ話してみようと思えるからではなかったか。
その事情を、最初の入力には書いていなかった。
整った答えを前にすると、こちらの曖昧な感覚のほうが頼りなく見える。説明できないのだから、気にしすぎなのだろう。そうやって、一度飲み込もうとしてしまう。
けれど、引っかかりの中には、まだ文章になっていない仕事の事情が残っていることがある。誰が困りそうなのか。何がなくなると困るのか。そもそも、早く処理することだけを目指してよかったのか。
もちろん、直感がいつも正しいわけでもない。慣れたやり方を手放したくないだけのときもある。だからこそ、その感覚を採用か却下かの二択にせず、確かめたい問いとして置いておきたい。
「窓口を変えたら、今まで届いていた相談が届かなくならないかな」
そこまで言葉にできれば、関係する人に聞ける。実際の問い合わせを見ながら、残す入口や試す範囲についても話ができる。答えの見た目から少し離れて、自分たちの仕事に戻ってこられる。
AIがはっきり答えたからといって、こちらまで急いではっきりする必要はないと思う。理由をまだ言えない時間にも、ちゃんと役割がある。
YRでは、AIの提案をそのまま仕事に当てはめる前に、現場で気になることや判断に必要な事情を一緒に整理します。「案はあるけれど、どこか引っかかる」というところから、業務やAIの使い方についてお話しできます。
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