「何か意見ある?」のあとに、誰も話さない。
会議が終わって、椅子を戻しているとき。
「さっきの件なんですけど、ちょっと気になっていて」
そんなふうに話しかけられたら、社長はうれしい半分、もどかしい半分かもしれない。いい意見なのに。さっき、みんなの前で言ってくれたらよかったのに。
会議では、ちゃんと聞いたつもりだった。
「何か意見ある?」
ひと呼吸待って、部屋を見渡した。誰も口を開かなかったので、次の話に進んだ。反対はないのだろう、と思って。
でも、あとから話しかけてきた人には、その短い沈黙のあいだにも、言葉がいくつか浮かんでいたのかもしれない。
これは意見と呼べるほどのことかな。
もう決まりかけている話を戻してもいいのかな。
気になるところはあるけれど、代わりの案までは考えられていない。
考えているうちに議題が変わり、「今さらかな」と口を閉じる。そういう会議も、ありそうだ。
社長のほうは、完成した答えまで求めていなかったりする。お客さんと話している人の感触を聞きたい。自分が気づいていないところを教えてほしい。一緒に、この先のことを考えたい。
それなのに、会議を開くほど、自分ばかりが話している気がする。
話すつもりで来た社長と、聞くつもりで来た社員。その日、部屋に入るときから、少しだけすれ違っていたのかもしれない。
「何か意見ある?」は、広く扉を開けた言葉に聞こえる。けれど、広いぶん、どこから入ったらいいのか迷う人もいる。
「まだうまく説明できないんですけど」
その前置きのまま話し始めても、途中で一緒に考えてもらえる。そんな経験が一つあると、次の会議では、もう少し早く口を開けるかもしれない。
もちろん、いつも活発に話せる必要はない。静かに考える時間もほしい。ただ、会議が終わったあとに出てくる大事な話を、できれば、その場にいるみんなで聞きたい。
報告を聞いて終わるだけでは、少し惜しい。せっかく同じ時間に集まったのだから、まだ決まっていないことを、一緒に考えられる場所にもなったらいい。
「会議はしているけれど、何かが噛み合わない」。そんな感覚からでも、YRにご相談ください。AIによる会議メモの整理なども交えながら、人が集まる時間を、これからの話にどう使えるか、一緒に考えていけたらと思います。
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